やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

弊所JILIS『コロキウム』開設のお知らせとお誘い


 先般、私が所属しております一般財団法人情報法制研究所(JILIS)にて、政治と行政、アカデミアだけでなく、企業や個人も繋ぐ交流の場作りを目指して『コロキウム(談話会)』の立ち上げを発表しました。

 初回となる11月の会合は、京都大学教授にして弊所JILISの副理事長・曽我部真裕先生をお呼びして、主に「デジタル時代における情報空間と政府の関与の在り方」のテーマでご講演とパネルディスカッション、またそれに続く懇親会などを企画しております。

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【告知】情報法を基に、個人と企業、霞が関(赤坂見附&溜池山王)、永田町とアカデミアを繋ぐ活動を始めたよ

 お陰様で、法人や弁護士、元官僚の皆さまなど、幅広に政策分野や情報法に関わってこられた方々のご参画希望も増えておりまして、所定の会員数に早くも到達しようかという感じになってきております。

 これを発表してから自由民主党と公明党の連立による与党がいきなり衆議院選挙で負けてしまい、思い切り少数与党となって、特定の政党の有力者や規制改革会議の面々に持ち込めば政策の大玉に取り上げてくれて走ってもらえる状況ではなくなりました。裏を返せば、政治の混迷や不安定は、ダイレクトに私たちの社会があるべき状況に向けて改善させていくプロセスを大きく変えていくことになるでしょう。

 私どもも、プライバシーフリーク・カフェを立ち上げて早10年ほど、あのころは政治の状況はあまり気にすることなく「俺が正しいと思っているから正しいのだ」とイキリ立って手に手に斧や槍を持ち、風にモヒカンをたなびかせて関係当局に闖入しては正論砲をぶっ放して焼け野原にして戦いはいつも虚しいとか言いながら夕焼けをバックにとぼとぼ帰路を刻んでいたわけですが、人間10年も活動していると何となく箔が付いたり祀り上げられたり面倒くさいからアリバイ的に意見ぐらい聞いておけと割り切られたり、いろいろあった結果がまあまあ高みまで来たもんだという状況になっているのが感慨深いです。

 ただ、世界の情勢からしますとデータ資本主義と言われ、プラットフォームが国富を左右するだけでなく国民の情報を扱うことで政府以上にこれらの事業者が国民のデータを持つ状況になっていると、データ分析の結果による決定で国民が不当な不利益・差別を被(こうむ)らないためにどのような法制であるべきか、ということを充分に目配せしなければならなくなってきました。

 また、医療や教育・子ども、位置データ、取引データなど、各分野で薄く広く「情報」の扱われ方が重要になってくると、各分野ごとに適した「情報」の扱われ方を法制に組み込んで適切に個人に関する情報などの利活用を促進しなければならなくなってきました。

 さらには、生成AIなど技術分野での爆発的な進展とともに従来の法制は3年ごと見直しをしっかりやっていかなければ途端に海外との競争・規制に劣後することも明らかになってきましたので、この分野における法曹界、霞ヶ関だけでなく、企業も個人も消費者も学校も地方自治体も一体となって「何が情報法制において必要なものになっているのか」を熟知し議論しなければ立ち行かないご時世になったことは、幾度も指摘してきたとおりです。ボク言いましたよね。

 このように、やらなければならないことも充分に踏まえて、広く情報と法、国家、そして個人という枠組みで、イベントと飯(酒)を中心に語らっていこうというサロン的な集まりにしていきたいと考えておりますので、ご関心を持っていただけるようでしたらぜひ参画願えればと存じます。

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 また、情報法制研究所では一般法人の皆さんや個人でも賛助会員的なシステムがありますので、こちらも併せてご検討戴ければと存じます。

情報法制研究所 会員募集

 ついでっちゃなんですが、私個人も最近企業さん向け研修や地方自治体での職員さん向け講演なども月4回か5回ぐらいコンスタントに手がけておりますので、ご興味がおありでしたらお声がけください。

山本一郎

 そんなわけで、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 

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Vol.457 JILIS『コロキウム』開設の告知をしつつ、野党勝利となった衆院選後の混乱の行方や米大統領選絡みで暗躍するイーロン・マスクさんの動向などをあれこれ考える回
2024年10月30日発行号 目次
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【0. 序文】弊所JILIS『コロキウム』開設のお知らせとお誘い
【1. インシデント1】野党は衆院選で躍進したけど「紙の健康保険証」にこだわるのって何なのか
【2. インシデント2】米社会の権威や秩序を揺るがしつつイーロン・マスクさんはどこへ向かう
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A
【4. インシデント3】この政治日程で少数与党のまま通常国会に突っ込む俺たちの石破茂を助けて

 
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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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